「自社らしさ」とは何か?オリジナル商品を作る際のポイント

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はじめに

オリジナル商品制作や OEM・ODM のご相談をいただく際、「自社らしさを大切にしたい」というお声をよく伺います。しかし、いざ企画を進めようとすると、「自社らしさ」とは具体的に何を指すのか、言葉にするのは簡単ではありません。結果として、仕上がった商品が他社と大きく変わらず、「自社で作る意味」が見えづらくなってしまうこともあります。このコラムでは、オリジナル商品を検討する前段階として、「自社らしさ」を整理するための考え方を三つの視点からご紹介いたします。

「自社らしさ」を言語化する

誰に何を届ける会社なのか

まずはじめに「誰に、どのような価値を届ける会社なのか」をシンプルな言葉で整理することから始めましょう。
既存の主力商品や、長くお付き合いのあるお客様を振り返ると、自社が得意としている領域が見えてきます。
たとえば「忙しい共働き世帯の暮らしを少し楽にする」「屋外でのワクワク」など、対象と価値を一文で表現してみると、商品企画の方向性がぶれにくくなります。オリジナル商品制作は、こうした「自社の役割」を形にしていく作業だと捉えると、判断基準が作りやすくなります。

ブランドの価値軸を決める

次に、「自社が大切にしたい価値軸」を三つ程度に絞ってみます。たとえば「品質」「価格」「デザイン」「環境配慮」「使いやすさ」など、多くの候補が並ぶなかで、特に譲れないものは何かを整理します。
すべてを高い水準で満たそうとすると、コストも時間も過大になりがちです。オリジナル商品制作や OEM・ODM で仕様を決める際も、「この三つは優先し、それ以外はバランスを見て調整する」という軸があると、社内の合意形成やパートナーとのやり取りがスムーズになります。

商品企画で守るべきポイント

変えない要素と変えてよい要素

「自社らしさ」を商品に落とし込む際は、あらかじめ「変えない要素」と「変えてよい要素」を決めておくことが有効です。たとえば、ロゴや基本カラー、価格帯、使用シーンは固定しつつ、形状の一部やアクセントカラー、同梱物の内容などで変化をつける方法があります。
インテリア雑貨やエクステリア用品でも、シリーズごとに細部のデザインは異なっていても、置いたときの雰囲気や質感の方向性がそろっていれば、ブランドとしての一体感が生まれます。「何をそろえるか」を意識することが、自社らしさの土台になります。

世界観と価格帯のバランス

自社らしさは、デザインやコピーだけでなく、「価格帯」とのバランスの中にも表れます。
高級ラインとして位置づけるのか、日常的に手に取りやすい価格を重視するのかによって、求められる素材や仕様は変わります。
ここで重要なのは、「ターゲットのお客様が、どのようなタイミングで、どのくらいの価格なら心地よく購入できるか」を具体的に想像することです。
商品設計段階から、世界観と価格帯の整合性を意識しておくことで、完成した商品が売場に並んだときの違和感を減らすことができます。

OEM・ODMと自社らしさ

パートナーへの共有の仕方

商品制作に入るにあたり、「自社らしさがうまく伝わらない」というお悩みもよく耳にします。
コミュニケーションに齟齬が生まれてしまうと、出来上がってくる商品そのものと、「自社らしさ」とのギャップが生じ、ラインナップの一つとして入れてみると、不思議なチグハグ感ができてしまいます。
その多くは、求めているイメージや価値観が言語化されていないことが原因です。
既存の商品写真やカタログ、ウェブサイトの一部など、「自社らしさが出ている」と感じる事例をいくつかピックアップし、「この雰囲気から大きく外れないこと」をパートナーと共有すると、打ち合わせの精度が上がります。
言葉だけでなく、具体的な「例」を見せながら相談することで、誤解を防ぎ、双方の認識を揃えやすくなります。

継続的な見直しと定番化

自社らしさは、一度決めたら終わりではなく、商品の反応や市場の変化に合わせて少しずつ整えていくものです。
オリジナル商品や OEM・ODM で開発した商品を発売した後は、売れ行きやお客様の声を見ながら、「自社らしさが伝わっている部分」と「伝わりにくかった部分」を振り返ります。
そのうえで、コンセプトや仕様を微調整しながら長く販売していくことで、“定番”として育っていきます。
一回きりの企画ではなく、継続的な見直しのサイクルを前提にすることが、自社らしさを強めていく近道です。

まとめ

「自社らしさ」とは、特別な言葉ではなく、①誰にどんな価値を届ける会社なのか、②どの価値軸を優先するのか、③商品としてどの要素をそろえ、どの要素で変化をつけるのか――を整理した先に見えてくるものだといえます。オリジナル商品制作や OEM・ODM を進める際も、この整理ができているかどうかで、出来上がる商品の方向性や、パートナーとのコミュニケーションのしやすさが大きく変わります。まずは既存の事業やお客様を振り返りながら、「自社らしさ」を言葉と具体例でまとめてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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